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こんにちは、デザイナーの菅原です 20周年記念モデル「漆黒リザード」の先行予約開始から数週間。私たちの想像を超える反響をいただき、改めてこのプロジェクトに込めた想いの重さを噛み締めています。
さて、前回は「なぜ漆黒なのか、なぜリザードなのか」という全体像をお話ししました。
第2回となる今回は、このバッグの「魂」とも言えるパーツ、「ハンドル」にスポットを当てます。 私たちがこのバッグのために選んだのは、単なるレザーハンドルでも、樹脂の持ち手でもありません。それは、福井県が世界に誇る伝統工芸、「越前漆器(えちぜんしっき)」の技術を注ぎ込んだ、特注の黒漆ハンドルです。
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1. 1500年の歴史を持つ「越前漆」との出逢い
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「バッグのハンドルに漆(うるし)を」。
この一見無謀とも思える挑戦の裏には、漆器の産地として1500年以上の歴史を持つ福井県・鯖江市の職人たちとの出逢いがありました。 漆は、古来より「ジャパン」と呼ばれるほど、日本を象徴する素材です。しかし、その扱いは極めて繊細。温度や湿度がわずかに変わるだけで、その表情は一変します。
私たちが求めたのは、リザードの力強い質感に負けない、「吸い込まれるような、それでいて底知れぬ深みを持つ黒」でした。この理想を実現できるのは、幾層にも塗り重ねられ、磨き上げられた「本漆」以外には考えられなかったのです。
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2. 「用の美」を追求した、究極の触り心地
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ハンドルは、持ち主がバッグに触れるたびに必ず手に取る場所です。
私たちが職人に最も強くリクエストしたのは、見た目の美しさはもちろんのこと、「掌(てのひら)に吸い付くような肌触り」でした。 越前漆器の最大の特徴は、その堅牢さと、使うほどに増していく艶にあります。
今回のハンドルは、木型を削り出すところから始まります。手のひらのカーブに馴染むよう、ミリ単位で調整されたフォルム。そこに、職人が刷毛(はけ)を使い、薄く、均一に漆を塗り重ねていきます。 一度塗っては乾燥させ、研ぎ、また塗る。
この気が遠くなるような工程を幾度も繰り返すことで、漆特有の「しっとりとした質感」が生まれます。冬の朝の冷たさの中でもどこか温もりを感じ、夏の汗ばむ季節でも決して不快にならない。この「用の美」こそが、伝統工芸が辿り着いた究極の機能性です。 |
3. 漆黒の対比:リザードの動と、漆の静
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今回のデザインにおいて、私たちが最もこだわったのは「黒のコントラスト」です。
リザードPVCレザーという素材は、型押しの一つひとつが光を乱反射させる「動」の黒です。それに対し、越前漆のハンドルは、光を深部まで透過させ、静かに湛(たた)える「静」の黒。
この全く異なる二つの黒が、一つのバッグとして融合したとき、そこには単なるファッションアイテムを超えた、一種の「工芸品」としての品格が宿ります。
ハンドルを握るたびに、漆の滑らかな感触が指先から伝わり、持ち主の背筋を自然と伸ばしてくれる。そんな体験を、皆様にお届けしたいと考えました。 |
4. 経年変化という名の、もう一つの物語
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![]() 漆は、生きた素材です。
手にした瞬間が完成ではありません。5年、10年と使い込むうちに、手の油分や摩擦によって、その黒はさらに深く、透明感を増していきます。 持ち主と共に時を重ね、共に熟成していく。
「新品の時が一番美しい」のではなく、「10年後の姿が最も美しい」。それこそが、20周年を冠するこのバッグに私たちが託した願いです。
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5. 職人の手から、貴方の手へ
現在、工房では越前の職人たちが、一つひとつ丁寧にハンドルを研ぎ出しています。
大量生産の製品では決して真似のできない、手仕事ゆえの僅かな個体差。それは、この世に二つとない「貴方だけの証」でもあります。 もし、このハンドルに傷がついたとしても、それは漆器と同じように塗り直し、修復することが可能です。長く、大切に、世代を超えて受け継いでいく。
「漆黒リザード」は、そんな持続可能な美学への挑戦でもあります。 次回のブログ(5/23予定)では、いよいよこのバッグの表情を決定づける「リザードPVC素材」の選別、そして20周年限定・豪華3大特典についてお話しします。
20年かけて磨き上げた私たちの「審美眼」のすべてを公開します。どうぞご期待ください。 |
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男性の洋服なら良いモノはたくさんあるのに、バッグとなると少ない。だったら自分たちで作ろう。 そんな率直な思いで2006年にレザーバッグブランド「YOUTA」を立ち上げました。 洋服、時計、靴など様々なアパレル関係の仕事をしていた私が着目した素材は合皮でした。軽量で雨にも強い素材なのでお手入れも不要です。現代に合った非動物性の素材で作られた「ヴィーガンレザー」というのも合皮を選んだ理由です。 日本の伝統文化であるモノづくりを通して働く人々に快適なビジネスライフを提供し、日本の製造業を支える存在を目指しています。 代表 菅原健太
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